ひょうご次世代産業高度化プロジェクト推進協議会

事例紹介

専門家の指導や認証取得、人材育成でプロジェクトを活用する躍進企業を紹介します。

事例1.航空・宇宙分野

川西航空機工業 株式会社


所在地 :川西市下加茂 2-1-6
事業内容:航空・宇宙・防衛機器部品の設計、製作
代表者 :代表取締役社長 小寺久志
従業員数:108人
http://www.kapp.co.jp/


航空分野の支援を受け 国際規格の認証を取得し、新規取引先を獲得

 航空・宇宙機器部品の製造を始めて50年余り。自衛隊の航空機の部品を主力に、国産初のジェット旅客機として話題を集める三菱重工のMRJの部品なども手掛けている。「10年後、20年後を見据えたときに、今後の需要拡大が見込まれる民間航空機の販路開拓が長年の課題でした。そんな折、航空機分野の認証取得や人材育成の支援事業(現・航空機分野参入促進事業)を知りました」と語るのは品質保証部の部長、金子光一さん。

 

 同事業を活用し、審査費の一部補助などを受けて平成28年に表面処理工程の、翌年には非破壊検査工程のNadcapの認証を取得した。Nadcapとは航空・宇宙産業の特殊工程管理に関する世界標準認証プログラム。近年、機体やエンジンを製造するメーカーが特殊工程を含む製品を発注する際、Nadcapの認証取得を条件とするケースが増えているという。

 

 認証を取得すると早速、その成果が現れた。三菱重工経由でボーイング機の主翼の部品を受注したのだ。「これまでにボーイング社との取引がなくても、当社が世界基準の技術を持っていると信用していただきました」

 出荷前の最終工程として、磁粉探傷や浸透探傷による非破壊検査ができる人材の育成が重要であることから、平成29年12月には同事業により、兵庫県の航空産業非破壊検査トレーニングセンターの講習を若手社員が受講。
「補助が出るのは非常にありがたいです。国際競争が激しさを増す中、当社のような中小企業が勝ち抜いていくためには技術力に加え、公的な支援がますます必要だと思います」と、言葉に実感がこもる。

事例2.環境・エネルギー分野

株式会社 兵庫分析センター


所在地 :姫路市広畑区正門通 4-10-8
事業内容:環境計量証明、作業環境測定
代表者 :代表取締役 石井哲人
従業員数:88人
http://www.hyobun.co.jp/


環境分野の支援を受け 研究機関とのパイプを強固にし、技術を高度化

 大気中の有害物質の測定、河川や工場排水等の水質分析、食品中の微生物検査など、環境分析を行う同社。10年ほど前から、微生物を用いた環境浄化を研究する兵庫県立大学大学院工学研究科の武尾正弘准教授の研究室と技術交流を進めてきた。平成23年には、同大学院が社会人ドクターを受け入れるということで、改革推進室のプロジェクトリーダーを務める木村和幸さんを派遣。3年にわたり武尾研究室で学んだ。

 

 「技術者にとって高度な研究ができる環境は大変ありがたかった」と木村さん。会社に戻った頃、「環境関連事業における高度研究人材の育成事業(現・水素等次世代エネルギー・環境分野参入促進事業)」を知る。研究したいテーマに合わせて、月に1~2回、専門家の指導が受けられるというもので、事業の活用を会社に打診。27年度から3年間活用し、27年度は「水質浄化に係る微生物製剤の生産事業化」、28年度は「空中浮遊菌を効率よく回収して分析する方法」、29年度は「遺伝子を扱う分析装置の原理と使い方」について、武尾准教授の指導を受けた。

 

 29年度に使い方を学んだ装置「リアルタイムPCR」はその後、分析の現場に導入。レジオネラ菌の分析などがシャーレを使わずにできるようになり、作業の効率化につながっているという。

 

 事業を活用したことで、「武尾研究室とのパイプをより強くすることができた」と木村さん。「一企業ができることは限られています。他社ができないことをやろうとするには高度な技術が必須。これからも必要に応じて武尾先生のお力をお借りしながら、研究を続けていきたい」と語る。

事例3.健康・医療/ロボット分野

株式会社 アワジテック


所在地 :神戸市兵庫区新開地 3- 1-14
事業内容:建設コンサルタント、測量、医療分野における補助器具の開発販売
代表者 :代表取締役 藤原正典
従業員数:30人
http://www.awaji-tec.com/


ロボット等の分野の支援を受け 妥協せずに試作を重ね、最良の製品化を実現

 同社が開発した自己診断機能付き透析出血感知センサーは、透析治療中の患者の抜針事故を防ぐ医療補助器具。針が抜けた際のわずかな出血(水分)を感知し、光と音で異常を知らせる。

 

 水分センサー付きの紙おむつを開発・販売していた同社に、透析出血感知センサーの開発依頼があったのは約10年前。透析中の事故の中でも頻度が高く、危険な出血事故を防ぐため、まずは腕の下に敷くシートタイプを開発する。しかし、患者が動いてシートから腕が外れることがあるため、より確実なセンサーが望まれた。

 

そこで、3年ほど前から針を指している部分を囲むように貼り付けるテープタイプの開発に取り掛かった。

 

 「はがれにくく、それでいてかぶれにくい低刺激性の粘着テープを採用することが必要でした。形や寸法も、メディカルスタッフが迅速かつ正確に貼り付けられるように工夫をしました」と話すのは、特殊センサー事業部の森康昭さん。医療現場のスタッフに、使い勝手や問題点を指摘してもらいながら試作を重ねた。そんな折、「介護・医療等ロボットの普及・実用化促進事業(現・ロボット実用化・普及促進事業医療・介護機器分野参入促進事業)」の話があり、平成28年度に活用。試作に掛かる費用の一部を助成してもらった。「命に関わる器具だけに最良のものを目指していました。補助金のおかげで、妥協せずに、いろいろなパターンを試すことができました」

 

 今では250もの医療現場で使われているというセンサーテープ。今後は、センサーテープやセンサーシートとつないで使用する本体検知器のデザインの改良を進めたいと考えている。